TVアニメ『Fate/Zero』第25話 Q&A

・原作未読者向け補完Q&A。
・後の展開のネタバレは無し。



第25話 「Fate/Zero


放送前Q&A  第1話  第2話  第3話  第4話  第5話  第6話  第7話  第8話  第9話  第10話  第11話  第12話  第13話  第14話  第15話  第16話  第17話  第18話  第19話  第20話  第21話  第22話  第23話  第24話





Q.聖杯はセイバーが破壊したんでしょ? なら、あの黒い太陽みたいなのは何?


A.切嗣は知る由もありませんでしたが、実はあの孔が聖杯の本体に繋がっています。
  破壊すべきはこの孔の方だったのです。


  聖杯戦争で奪い合っていたのは「小聖杯」で、敗北した英霊の魂を蓄え留める役割、
  孔の形態を安定させる制御装置の役割を持っています。
  聖杯に力が満ちた時、「大聖杯」が根源に至る孔を開く儀式を執り行うのですが、
  これは(冬木市の場合)地下にあります。


  小聖杯の制御が失われたことで、大聖杯に繋がる孔からは呪いの塊と化した魔力が
  溢れ出て、地獄が具現化してしまったのでした。





Q.雁夜おじさん……。(´;ω;`)


A.桜は、蟲に群がられた死体が小さくなっていく様を「お爺様に逆らった人間がどうなるのか」を
  見せてくれる授業だと受け取って、目に焼き付けました。救い? そんなモノありません。




Q.アーチャーの身には何が起こったの?


A.聖杯から溢れた泥を浴び、本来なら跡形も無く消化されてしまう筈だったのですが、
  アーチャーは魂(自我)が強すぎた為、逆にその魔力を飲み干して受肉を果たしました。


  「侮るな。あの程度の呪い、飲み干せなくて何が英雄か。この世全ての悪?
  は、(オレ)を染めたければその三倍は持ってこいというのだ」


  綺礼を瓦礫の下から助けた時、どうして全裸だったのかは永遠の謎ですww




Q.綺礼は死んでなかったの?


A.アーチャーを侵食しきれなかった泥は、魔力供給の経路(パス)を遡って綺礼の肉体に到達しました。
  その結果、「この世全ての悪(アンリ・マユ)」は綺礼の心臓に代わる生命力の供給源となり、負傷を
  癒して蘇生させるに至りました。




Q.ウェイバーは魔術師を辞めることにしたの?


A.しばらく世界中を見て回ることにしたようですが、魔術師を辞めるワケではありません。
  それどころか、この聖杯戦争で一皮剥けたウェイバーは、今後超絶的な成長を遂げます。


  プロフェッサー・カリスマ、マスター・V、グレートビッグベン☆ロンドンスター、
  女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男――これらは全て、10数年後のウェイバーの
  異名です。
  魔術師としては相変わらず平均的なのですが、講師として人を鍛える才能は時計塔随一で、
  彼の教え子が集まれば時計塔の勢力図が変わる…とまで言われています。
  (ただ、本人は自分が大成したいと考えているので不満しか持っていないようです)


  また、ケイネスの死亡により没落一歩手前になったアーチボルト家の復興に
  尽力しました。その結果、アーチボルト家の跡継ぎ(ケイネスの親族?)に
  「ロード・エルメロイ2世」という名を与えられたりもしています。


  


  ――完全に別人ですww




Q.葵さんがああなったのは雁夜のせい?


A.雁夜に首を絞められたせいで、脳が酸欠の後遺症を負いました。
  悲惨な現実に目を背けられるので、ある意味では幸福なのかもしれませんが……。


  ちなみに、葵はこの何年後かに死去します。




Q.凛はこれからどうなるの……?


A.綺礼が言っていた通り、時臣は自分に万一の事があった場合に備えていました。
  そのおかげで、遠坂家の魔術刻印は一切の遺漏無く凛に引き継がれることになりました。


  父が死に、母は正気を失い、妹はいない……そんな過酷な運命を強いられた凛ですが、
  凛はそんな現実を受け止め毅然と立ち向かう強さを持っています。
  他者の不幸を蜜の味とする綺礼は、凛の強さが何とも面白くありません。
  そこで、父の命を奪ったアゾット剣を、父の形見として凛に手渡しました。
  ドS趣味、ここに極まれり……。


  凛がどのような少女に成長するのかは、『Fate/stay night』本編にて確かめてください。




Q.アーチャーはこれからどうするの?


A.気ままに第2の生を謳歌します……が、あの性格だと何かしらの問題を起こすのは
  火を見るより明らかです。
  そんな自身の性格を認識しているアーチャーは、宝物庫の中にある若返りの秘薬を使い、
  これからのほとんどの時間を幼年期の姿で過ごすことになります。


  幼年期のアーチャーは、青年時とは正反対の礼儀正しい好人物だったりします。
  大人の自分を「どうしてああなったのか自分でもわからないほど理解しがたい」と
  評するのは、また別のお話ですww




Q.セイバーは過去に帰ったの?


A.サーヴァントは、過去に存在した英雄が死後に祀り上げられて人類の守護者と化した
  「英霊」と呼ばれる存在です。
  しかし、セイバーことアルトリアは、英霊となった時の経緯が他のサーヴァント達と
  少し違います。


  アルトリアは、現世で死ぬ直前に世界と契約を交わし、死後の魂を差し出す代わりに
  聖杯を手にする手段を取り付けた存在なのです。
  契約は聖杯の取得を以って執行されるので、アルトリアは、聖杯を手にするまでは
  何度でも時の彼方での聖杯争奪戦に呼び出され、終わる度に「死の直前」の時間軸に
  呼び戻されるのです。


  イメージし難いのであれば、アルトリアは「生と死の狭間で夢を見るように英霊として
  呼び出されている」と捉えてください。
  (劇中でセイバーが霊体化しなかった=出来なかったのは「まだ死んでいないから」です)


  セイバーが己の過去と決着を付けるのは、もう少し先の話になります。




Q.切嗣は二度とイリヤに会えなかったの? 邪魔者は全て排除すればいいのでは……?


A.アニメでは説明されていませんでしたが、切嗣は「この世全ての悪(アンリ・マユ)」の呪いに身体を
  蝕まれ、半病人同然の肉体になってしまいました。
  手足は萎え、目は霞み、魔術回路も8割方の機能を失い、とてもアインツベルンの森を
  突破することはできません。
  (養子の士郎に「爺さん」と呼ばれるくらいに老け込んでしまったようです)


  アインツベルンの当主・ユーブスタクハイトは、土壇場で聖杯を無為にした裏切り者に、
  娘にも会えぬまま野垂れ死ぬという報いを与えるべく、切嗣との一切の関わりを
  断ったのでした。


  その後、切嗣は、士郎と一緒に月を眺めながら、士郎なら無垢な思いを忘れることなく、
  自分のように過つことはないだろうと安堵しながら、眠るように息を引き取りました。
  享年35。




――以上で、TVアニメ『Fate/Zero』のQ&Aを終了します。
桜のことにしろ、イリヤのことにしろ、あまりにも救いが無い物語でしたが、元々『Fate/Zero』は『Fate/stay night』の始まりへと至る作品です。
色々とスッキリしないという人は、是非、『Fate/stay night』本編を読んでみてください。