TVアニメ『Fate/Zero』第24話 Q&A

・原作未読者向け補完Q&A。
・後の展開のネタバレは無し。



第24話 「最後の令呪」


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Q.切嗣の起源弾が綺礼に通じなかったのは何故?


A.綺礼は元々正当な魔術師ではないので、璃正から引き継いだ令呪を魔力源にして
  戦いに臨んでいます。令呪は使い捨ての消耗品である為、起源弾の効果(切嗣の起源の
  フィードバック)が術者本人にまで届かないのです。
  (綺礼は命拾いしたことに気付いてはいません)


  魔弾としての効果は無くとも、大型の猛獣をも屠る弾丸の貫通力は残っているのですが、
  綺礼は黒鍵に強化の魔術を掛けることでその威力を封殺しました。




Q.切嗣って、間合いを詰められたら弱い?


A.と言うより、綺礼が強すぎます。魔術の技量はそれ程でもありませんが、
  聖堂教会の代行者として鍛え抜いた八極拳は、切嗣をして単身で死徒にも
  匹敵するのではないか…と言わしめる程のものです。




Q.切嗣が生き返ったのは聖剣の鞘の効果?


A.アイリから受け取った「全て遠き理想郷全て遠き理想郷アヴァロンアヴァロン」の驚異的な治癒能力によるものです。
  綺礼は、肺も心臓も粗挽き肉に変えられた死体から反撃されるとは思っておらず、その銃撃を
  マトモに喰らう羽目になりました(ここまでの回復は切嗣にとっても予想外でしたが)。


  超威力のコンテンダーに弾丸を再装填する暇は無く、キャレコで撃つしかなかったのですが、
  無理な姿勢で勘任せに撃つしかなかった為、綺礼の頭部を貫通するには至りませんでした。


  「全て遠き理想郷全て遠き理想郷アヴァロンアヴァロン」の治癒能力があるおかげで、切嗣は固有時制御を
  三倍速、四倍速…と無茶なレベルで行使しています。




Q.セイバーがバーサーカーに対して涙目になっていたのは何故?


A.バーサーカー、湖の騎士ことサー・ランスロットは、アーサー王(アルトリア)の
  妻・ギネヴィアと不倫関係にありました。
  アルトリアは「自身が性別を偽っていたからだ」と考え、ランスロットに対しては
  何の恨みも抱いていなかったのですが、この件が醜聞として公になり、その結果、
  円卓の騎士は2つに割れてしまいました。


  その後も色々あり、ランスロットの不倫は、結果的にブリテンの滅びの遠因と
  なってしまいました。
  ただ、それでもアルトリアは、致し方無い理由で戦う事になったとしても、心の底では
  わかり合えていた筈…と信じていたのですが、鬼の形相で襲い掛かってこられたので
  心が折れてしまったのでした。


  アニメではバーサーカー戦がまとめて端折られた為、その描写はありませんでしたが、
  実はランスロットアーサー王を恨んでいたワケではありません。
  ランスロットは、自身の不義を不問にしてもらうのではなく、王にきっちり裁いて
  ほしかったのです。王の怒りで裁かれていれば、贖罪の道を求めることもできた…と、
  原作ではセイバーに訴えています。




Q.雁夜は死んだの?


A.死んではいませんが、完全に戦闘不能です。


  セイバーがバーサーカーに勝てたのは、雁夜の魔力が空っぽになったせいで
  バーサーカーの動きが止まったからです。
  (原作では、バーサーカーは剣で貫かれた後、セイバーの腕の中で穏やかに嘆息しながら
  消滅しました)




Q.聖杯の中から溢れてきた黒いドロドロは何?


A.元々、聖杯戦争は、200年前に遠坂・アインツベルン・マキリの三家により始められた、
  失われた第三魔法「天の杯天の杯ヘブンズフィールヘブンズフィール」(魂の物質化による不老不死)を再現する為の儀式でした。
  儀式の成功には、英霊の魂を器に注ぐだけで良かったのですが、聖杯の権利を巡って
  殺し合いが始まってしまい、第二次以降、現在の「聖杯戦争」の形になりました。


  英霊の魂(膨大な魔力)を用いれば大抵の願い事は叶う為、聖杯は願望機としての役割も
  確かに持っています。
  ところが、第三次聖杯戦争にて復讐者復讐者アヴェンジャーアヴェンジャーのサーヴァントがルールを破って召喚され、
  その魂が聖杯に取り込まれてから、聖杯は汚染されてしまいました。
  アヴェンジャーの真名はゾロアスター教の絶対悪「アンリ・マユ」で、人間のありとあらゆる
  悪業を背負わされた古代の人間だったのですが、そんな存在の魂が願望機たる聖杯に取り込まれ、
  聖杯は人を貶める形でしか願いを叶えられない欠陥品になってしまったのです。


  今回、聖杯から溢れて切嗣と綺礼に降り注いだのは、そんな聖杯の中に蓄えられた泥――
  呪われた魔力です。




Q.聖杯の中で切嗣と話してアイリは、アイリ本人じゃないの?


A.アイリではなく、アイリスフィールという人格を模した「この世全ての悪この世全ての悪アンリ・マユアンリ・マユ」です。




Q.綺礼は聖杯に掛ける願い事が無かったんじゃなかったっけ?


A.聖杯に掛ける願いは持っていません。ただ「この世全ての悪この世全ての悪アンリ・マユアンリ・マユ」の誕生を見届けたいと
  思っているだけです。




Q.セイバーは、信頼関係皆無の切嗣に何を期待したの?


A.不仲ではありましたが、「聖杯を勝ち取る」という最終目標だけは一致していたので、
  切嗣があの絶望的な状況を打破するべく令呪を使うと思っていたのです。
  痛覚を遮断して最大限のパワーを発揮させるか、瞬間移動でアーチャーと聖杯の間に跳ぶか、
  聖杯を保護しつつアーチャーを倒し得る宝具の微調整か……セイバーはどんな戦略にも
  応じる覚悟があったのですが、結果はご覧の通りです。




Fate/Zero』登場人物簡易まとめ


<アインツベルン陣営>
衛宮切嗣 : アインツベルンに雇われた異端の魔術師。聖杯に託す願望は「世界の救済」。
        言峰綺礼との最終決戦の最中、聖杯から溢れた泥を浴び、聖杯の真実を知る。
        聖杯をあってはならぬ物と判断し、令呪でセイバーに破壊するよう命じた。
セイバー : 騎士王・アーサー(本名はアルトリア)。聖杯に託す願望は「祖国ブリテンの救済」。
       切嗣の外道ぶりにキレたが、その心情吐露を目にして、信念だけは認めた模様。
       ボロボロになりながらもバーサーカーを退け、聖杯の前でアーチャーと対峙。
       令呪で聖杯破壊を命じられ、絶叫と共に宝具を振り下ろした。
アイリスフィール : 切嗣の妻であり、聖杯の器としてアインツベルンに造られたホムンクルス
             切嗣と最後の言葉を交わした後、聖剣の鞘を切嗣に渡した。
             綺礼に殺害された後、その身体は消失し聖杯となった。
久宇舞弥 : 切嗣の助手であり弟子。アイリを警護していたが、バーサーカーの襲撃を受け死亡。



<言峰&英雄王>
言峰綺礼 : 時臣と水面下で共闘していたが、心の底では他者の不幸を愉悦とする事実を受け入れ、
        アーチャーと通じて時臣を謀殺。父から受け継いだ沢山の令呪を手に、
        最強の英霊と共に改めて聖杯戦争に臨むも、切嗣との最終決戦にて破れて死亡。
アーチャー : 古代ウルクの英雄王・ギルガメッシュ。世界の全てを手に入れた傍若無人の支配者。
           自身の財(聖杯を含むこの世の全て)を他人が奪い合うのが許せない。
           時臣を見限り、ドSとして開き直った綺礼を新たなマスターとした。
           ライダーを倒した後、聖杯の前でセイバーをいたぶりつつ求婚。



<間桐陣営> → 敗退
間桐雁夜 : 幼馴染みの次女・桜を間桐家から解放する為、聖杯戦争へ参戦した。
        自身を魔術師に変貌させるべく体内に刻印虫を飼うも、身体を蝕まれて余命1ヶ月。
        命の恩人である綺礼に利用された後、その綺礼の策略で葵と対面。
        夫の亡骸を見て半狂乱になり自身を罵倒する葵の首を絞めた後、精神崩壊……。
バーサーカー : 湖の騎士・ランスロット。生前の因縁からセイバーに激しい執着心を燃やす。
            冬木市民会館の地下駐車場にてセイバーと対峙。怒涛の攻撃を繰り返すも、
            マスターの魔力切れにより敗北し、消滅した。
間桐臓硯 : 間桐家の当主だが間桐家を見限り、遠坂家から桜を養子に迎えた。ドS。
        聖杯を手にしたら不老不死を得ようと思っているが、雁夜には期待していない。



<ウェイバー陣営> → 敗退
ウェイバー : 自身を軽んじた時計塔の連中を見返すべく、聖杯戦争へ参戦。
        自分の未熟さと向き合い、ライダーの覇道を穢すまいと令呪を全て放棄。
        ライダーを失い敗退するも、征服王の臣下に登用されるという誇りを得た。
ライダー : 古代マケドニアの征服王・イスカンダル。聖杯に託す願望は「受肉」。
         アーチャーに真っ向から挑むも、乖離剣の前に敗退。自身の胸の高鳴りに
         最果ての海の潮騒を感じながら、消滅した。



<遠坂陣営> → 敗退
遠坂時臣 : 監督役と共謀して聖杯戦争に挑む。聖杯に託す願望は「根源への到達」。
        聖杯戦争の最中、信用していた綺礼に自宅で刺殺された。
アサシン : ハサン・サッバーハ(中世イランの暗殺教団の指導者)。マスターは言峰綺礼
        聖杯に託す願望は「人格の統合」。ライダーの固有結界で倒された。
言峰璃正 : 綺礼の父。聖堂教会から派遣された聖杯戦争の監督役だが、時臣に肩入れ。
        キャスター討伐貢献の報奨としてケイネスに令呪を授与したが、直後に射殺された。



<ケイネス陣営> → 敗退
ケイネス : 時計塔の講師でもあるエリート魔術師で、通称「ロード・エルメロイ」。
         経歴への箔付けの為に聖杯戦争へ参戦したが、切嗣の起源弾で再起不能に。
         璃正から令呪を受け取って戦線に復帰するも、切嗣の人質作戦に嵌まって殺害された。
ランサー : ディルムッド・オディナ(ケルト神話の英雄)。女性を魅了する魔貌を持つ。
        主に忠義を尽くすことだけが望みなのだが、生前同様、主の伴侶を魅了してしまった。
        人質を取られたケイネスの令呪により自害させられ、怨嗟の声を撒き散らしながら消滅。
ソラウ : 由緒正しい魔術師の家の令嬢で、ケイネスの許婚。ランサーに魔力を供給していた。
       ランサーの魔貌に魅了され、初恋に浮かれる乙女モード。ケイネスの令呪を強引に譲り受け、
       ランサーのマスターとして戦いに臨むも、舞弥に捕縛された後、ケイネス諸共射殺された。



<最凶コンビ> → 敗退
雨生龍之介 : 連続殺人鬼。何も知らぬまま偶然キャスターを召喚した。
          キャスターの凶行に大興奮していた最中、切嗣に狙撃されて死亡。
キャスター : ジル・ド・レェ(中世フランスの百年戦争終結に貢献した元帥)。
         セイバーがジャンヌ・ダルクであると思い込み、狂気に身を任せ大暴走するも、
         最終的にはセイバーのエクスカリバーで海魔もろとも消滅させられた。