とある痴漢裁判の話

 埼玉県の小学校教頭が、強制猥褻罪で起訴された。判決によると、エロ教頭とされる男(58歳)は、昨年末の夜中に、駅前の路上でタクシーを待っていた女性(当時43歳)に後ろから抱き付いて、「ジュースを買ってやるからホテルに行こう」とか言いながら近くのビルに引き摺り込み、おっぱい等を触ったらしい。
 この話が本当なら、確かに許されざる行為。裁かれねばならない。……本当なら。


 今日が、そのエロ教頭(とされる男、ちなみに休職中)の判決公判の日だった。さいたま地裁の福渡裕貴裁判官は「強固な意志に基づく執拗な猥褻行為で、被害者は強度の精神的苦痛を味わった」として、懲役1年6ヶ月(求刑は懲役2年)を言い渡した。弁護側は即日控訴。
 弁護側は「女性の携帯電話の通話記録から、犯行時間は1分54秒で、一連の行為は不可能。目撃者や現場の指紋等の証拠も無い」と無罪を主張したが、福渡裁判官は「女性の証言は信用でき、犯行の再現実験は移動が徒歩で正確性に欠ける。証拠が無いから犯罪証明ができないという理由にはならないと退けたらしい。


 いや、ちょっと待て裁判官。証拠が無きゃ犯罪の証明はできねーだろ! 「疑わしきは罰せず」…推定無罪の原則くらい、法に携わらない一般人でも知ってるぞ。自称被害者の証言以外に物証は無く、目撃者すらいないのに有罪…ちょっと酷いンじゃねーのか? その教頭、よっぽどエロそうな顔をしていたンだろーか? 若しくは、ニックネームがアスピリンスノーだったとでも……?
 こんなんじゃ、怖くて電車に乗れねーぞ。日本が言った者勝ちの冤罪天国になっちまう。


 事件の真実がどうであれ、(俺が参考にしたニュースサイトを読んだ限りでは)この裁判官は駄目だと思う。『Q.E.D. -証明終了-』の27巻でも貸してやろーか? 燈馬君は、学校の模擬裁判にて、有罪だと確信しつつも無罪に手を挙げていたぞ。「立証責任は全て検察だけにあり裁判員は提示された証拠のみで判断する。合理的疑いを越えた証明がなされない限り無罪。裁判の鉄則です」と。