TVアニメ『Fate/Zero』第11話 Q&A

・原作未読者向け補完Q&A。
・後の展開のネタバレは無し。



第11話 「聖杯問答」


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Q.殺し合う者同士で……酒盛り?


A.互いを「王」と弁えた上で突き付けられた問答に背を向けるのは沽券に関わる…という
  考え方のようです。




Q.酒盛りしているうちにウェイバーを殺せば1組脱落となるのでは?


A.切嗣がその場にいれば、或いはそういう事を企てたかもしれません。
  ですが、ケイネスの時がそうだったように、そのすぐ横にサーヴァントがいる状況では、
  成功する確率は低いかもしれません(少なくともアイリには不可能です)。




Q.そう言えば、セイバーはアーチャーの真名を知らないの?


A.ライダーは察したようですが、セイバーは気付いていません。




Q.何か、色々とカットされたと聞いたけど?


A.原作におけるライダーの台詞は大体出ていましたが、アーチャーが空気でした。


  「ライダー、貴様はこの(オレ)が手ずから殺す」という台詞を始め、
  セイバーの救国発言を聞いての哄笑、たじろぐセイバーを淫靡に視姦etc.…と、
  原作やドラマCDではかなりの存在感があったのですが、尺の都合か、
  諸々省略されました。




Q.ライダーの王道がよくわからない……。ただの自己中じゃないの?


A.ぶっちゃけて言うと、その通りです。
  征服王(イスカンダル)はやりたい放題やって全てを手に入れ、その姿で人々を鼓舞して導くのが
  王であると言っています(正義であるとも聖人であるとも言っていません)。
  騎士王(アルトリア)は、自身の望みは捨てて弱者を守ることこそが王の役目と信じています。


  また、ライダーは、セイバーが王の選定をやり直したいと思っていることも
  気に入らないようです。




Q.間諜に徹していた筈のアサシンが戦いを仕掛けたのは何故?


A.時臣の指示で、綺礼が令呪を使って「犠牲を厭わず勝利せよ」と命令しました。


  無論、大多数の犠牲を前提に少数の生き残りで勝利を掴む…という戦い方は、
  最終決戦でもない限り選択し得ない自殺行為同然の戦法であり、アサシン自身も
  捨て駒にされる事に納得してはいません。


  ちなみに、アーチャーは、自分が酒を提供している場にそんな無粋な事をされ、
  内心ではかなり不機嫌になっています。




Q.アサシンが大勢いるのは、結局何かの能力だったの?


A.聖杯戦争において「暗殺者(アサシン)」のクラスで召喚されるサーヴァントは常に
  ハサン・サッバーハであり、19人いる歴代の「山の翁」から1人が召喚されます
  (『Fate/stay night』本編では例外のアサシンが登場しますが)。


  今回召喚されたのは「百の貌のハサン」の異名を持つ多重人格者だったハサンで、
  生前はその性質を利用して老若男女を問わないあらゆる変装を駆使し、様々な
  仕事をこなしていました。
  (当時精神病と定義されていなかった多重人格は、秘中の秘たる能力だったのです)


  サーヴァントとして現界してからは、必要に応じて精神を分割し個別の身体を得る
  「妄想幻像(ザバーニーヤ)」という宝具により、あのようにうじゃうじゃと存在していました。
  自身を分割すればする程に一個体の能力は落ちますが、暗殺者(アサシン)クラスの
  固有スキルである「気配遮断」だけは衰えることが無く、敵マスターにとっては
  相当な脅威となる反則ギリギリの宝具です(切嗣との相性は最高)。


  ちなみに、アサシンが聖杯に託す願望は「統合された完璧な人格」で、綺礼(マスター)
  思惑がどうであれ、最終的には出し抜いて聖杯を取るつもりでいたようです。




Q.固有結界って何ぞ?


A.異界創造法の一種で、自らの内面(心象世界)で現実を塗り潰す大魔術です。
  本来は悪魔や精霊の能力で、魔術としては禁呪に当たり、最も魔法に近い魔術とも
  言われています。
  世界の延長である精霊以外の者がこれを使うと、世界そのものが異界を
  潰しにかかる(=世界の抑止力が働く)ので、維持には莫大な力が必要となります。


   千年城ブリュンスタッド (術者 : アルクェイド・ブリュンスタッド
   空想具現化で創り上げた、アルクェイドが人生の大半を過ごしていた城。


   獣王の巣 (術者 : ネロ・カオス
   666の生命の因子が混濁し渦を巻く混沌の世界。ネロ本人の肉体でもある。
   自身の体内を固有結界としている為、抑止力による修正を受けない。


   過負荷(オーバーロード) (術者 : ミハイル・ロア・バルダムヨォン
   魔力の過剰供給を行なうことで、使用する魔術全ての能力を倍化させる。
   『MELTY BLOOD Actress Again』にて、「空洞航路・十七転生」という技で登場。


   枯渇庭園 (術者 : 弓塚さつき
   展開した空間の魔力を急速に減少させ、枯渇させる能力。
   『MELTY BLOOD』シリーズにて、ラストアークとして登場している。


   タタリ (術者 : ワラキアの夜
   周囲の人間の心のカタチを具現化させる固有結界。ある周期で出現する現象。
   解釈次第で何でもありなので、二次創作者の強い味方ww


   無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス) (術者 : 第五次アーチャー、衛宮士郎
   視認したあらゆる「剣」を解析・複製・貯蔵する、錬鉄の固有結界。無数の剣が
   さながら墓標の様に突き立っている「剣の丘」。アーチャーにとっては宝具でもある。
   この固有結界による複製品はオリジナルと比べてランクが一段階下がるが、
   宝具すら複製可能(術者の能力が及ぶ範囲でなら真名開放も可能となる)。
   『Fate』の厨二病っぷりを象徴するかのような能力。


   王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ) (術者 : 第四次ライダー)
   生前ライダーが共に戦った英傑達をサーヴァントとして連続召喚する能力。
   結界内の風景は、ライダー達がかつて駆け抜け共有した、太陽が照りつける荒野。


   ナーサリーライム (術者 : EXTRAキャスター)
   多くの子供達の夢を受け止めた実在する絵本の総称にしてジャンルである
   「ナーサリーライム」が、1つの概念として成立した結果、「子供達の英雄」として
   英霊化したものが、サーヴァントとして現われた存在。


  ――上記の他に、設定としてその存在が仄めかされているものもあります。
  また、切嗣の魔術「固有時制御」も、この固有結界を応用した能力です。




Q.その固有結界を魔術師じゃないライダーが使えるのは何故?


A.上述した通り、固有結界の展開には莫大な魔力を消費するのですが、
  召喚される英霊達が等しく同じ風景を心に焼き付けている為、結界の維持は軍勢の
  魔力の総和で為されており、ライダーは展開にだけ魔力を使えばいいのです。


  ちなみに、この「王の軍勢」(アイオニオン・ヘタイロイ)、アサシンを通じて情報を得た綺礼によると、
  アーチャーの「王の財宝」(ゲート・オブ・バビロン)と同格、つまり評価規格外(ランクEX)とのことです。




Fate/Zero』登場人物簡易まとめ


<アインツベルン陣営>
衛宮切嗣 : アインツベルンに雇われた異端の魔術師。聖杯に託す願望は「世界の救済」。
        会ったこともない言峰綺礼を、その経歴から危険視している。
        ケイネスに完全な止めを刺すべく、1人でアインツベルン城を出た。
セイバー : 騎士王・アーサー(本名はアルトリア)。聖杯に託す願望は「祖国ブリテンの救済」。
       ランサーの宝具で受けた呪いの傷により、左腕を満足に使えない状態にある。
       マスターにはシカトされ続け、バーサーカーには襲い掛かられ、
       キャスターにはストーキングされ、アーチャーとライダーには酒席で虐められ…と
       踏んだり蹴ったり。
アイリスフィール : 切嗣の妻であり、聖杯の器としてアインツベルンに造られたホムンクルス
             舞弥と共に綺礼と戦うも敗北。重傷を負ったが、聖剣の鞘にて回復。
久宇舞弥 : 切嗣の助手であり弟子。アイリと共に綺礼と戦うも敗北、今は傷の治療中。



<遠坂陣営>
遠坂時臣 : 監督役と共謀して聖杯戦争に挑む。聖杯に託す願望は「根源への到達」。
        自宅に引き籠って情報を収集中。綺礼に命じてアサシンを捨て駒にした。
アーチャー : 古代ウルクの英雄王・ギルガメッシュ。世界の全てを手に入れた傍若無人の支配者。
           自身の財(聖杯を含むこの世の全て)を他人が奪い合うのが許せない。
           綺礼に興味を持ち、他マスターの参戦動機を探らせている。
           ライダーの酒席に誘われ、酒を振る舞って自らの王道を語った。
言峰綺礼 : 時臣と水面下で共闘中。衛宮切嗣の経歴に、自身の悩みへの答えがあると感じている。
        時臣の命令に従ってアサシンをアインツベルン城の酒席に仕向けた。
アサシン : ハサン・サッバーハ(中世イランの暗殺教団の指導者)。
        聖杯に託す願望は「人格の統合」。綺礼の令呪でライダーに挑むも、固有結界で
        蹂躙され消滅、皮肉にも本当の「最初の脱落サーヴァント」となってしまった。
言峰璃正 : 綺礼の父。聖堂教会から派遣された聖杯戦争の監督役だが、時臣に肩入れ中。
        錯乱・暴走しているキャスターを危険視し、他6組のマスターに討伐を命じた。



<間桐陣営>
間桐雁夜 : 幼馴染みの次女・桜を間桐家から解放する為、聖杯戦争へ参戦した。
        自身を魔術師に変貌させるべく体内に刻印虫を飼うも、身体を蝕まれて余命1ヶ月。
バーサーカー : 黒い甲冑のサーヴァント。手にした物を己の宝具とする能力を持つ。
            全身が靄に包まれていたり、狂化されている割に機敏だったりと、謎が多い。
間桐臓硯 : 間桐家の当主だが間桐家を見限り、遠坂家から桜を養子に迎えた。ドS。
        聖杯を手にしたら不老不死を得ようと思っているが、雁夜には期待していない。



<ウェイバー陣営>
ウェイバー : 自身を軽んじた時計塔の連中を見返すべく、聖杯戦争へ参戦。
        キャスターの工房を突き止めて侵入したが、その惨状に愕然。
ライダー : 古代マケドニアの征服王・イスカンダル。聖杯に託す願望は「受肉」。
         酒宴を開いてセイバーとアーチャーに自らの王道を語り、乱入してきたアサシンを
         固有結界で消滅させた。



<ケイネス陣営>
ケイネス : 時計塔の講師でもあるエリート魔術師で、通称「ロード・エルメロイ」。
         経歴への箔付けの為に聖杯戦争へ参戦したが、切嗣の起源弾で再起不能に。
         残った二画の令呪もソラウに譲渡することになり、失意のドン底にいる。
ランサー : ディルムッド・オディナ(ケルト神話の英雄)。女性を魅了する魔貌を持つ。
        聖杯に託す願望は無く、主に忠義を尽くすことだけが望み。
        生前と同じく主の婚約者を魅了してしまい、主にも信用されていない。
ソラウ : 由緒正しい魔術師の家の令嬢で、ケイネスの許婚。ランサーに魔力を供給している。
       ランサーの魔貌に魅了され、初恋に浮かれる乙女モード。
       ケイネスの令呪を強引に譲り受け、ランサーのマスターとして戦いに臨むことになった。



<最凶コンビ>
雨生龍之介 : 連続殺人鬼。何も知らぬまま偶然キャスターを召喚した。
          聖杯戦争が何なのかも知らず、気ままに凶行を繰り返している。
キャスター : ジル・ド・レェ(中世フランスの百年戦争終結に貢献した元帥)。
         セイバーがジャンヌ・ダルクであると思い込み、悲願は叶ったと大興奮。
         ランサーの宝具に術を解かれ窮地に陥るも、隙を突いて撤退。