TVアニメ『Steins;Gate』第23話 Q&A

最初のお前を騙せ…世界を騙せ!

・原作未プレイ組向け補完Q&A。
・後の展開のネタバレは無し。



第23話 「境界面上のシュタインズゲート -Open The Steins Gate-」



Q.オープニングテーマソングがいつもと違う?


A.歌詞が2番のものになると共に、新たなカットが追加されています。
  CDで『Hacking to the Gate』を聴いている『シュタゲ』ファンなら、思わずニヤリとする
  ニクい演出だったのではないでしょうか。
  『スカイクラッドの観測者』もそうですが、『シュタゲ』のテーマソングの歌詞は物語の根幹に
  ジャストフィットしていますね(作詞作曲が志倉千代丸なので当然かもしれませんが)。


  いくつもの輝ける日々 仲間との約束♪ 無かった事には してはいけない♪
  その為に時を欺く♪ 残された仕掛けに♪ もう迷いは無い 孤独の観測者♪




Q.今回出てきた鈴羽は、α世界線でラボメンになった鈴羽と同一人物なの?


A.ダルの娘であり、過去を変える為に未来から来た…というのは同じですが、別人です
  (SERNの存在さえ知らず、リーディングシュタイナーも発動していないようです)。
  α世界線の鈴羽はSERNによる世界のディストピア化を回避する為に未来から来ましたが、
  β世界線の鈴羽の目的は、第三次世界大戦の回避です。また、未来で岡部と会ったことがあり、
  原作では岡部のことを「オカリンおじさん」と呼んでいます。


  ちなみに、リアルにおいて2000年に(アメリカのネット上の掲示板に)現れた
  ジョン・タイターの正体は、この鈴羽だということになっています。鈴羽は、2036年から
  1975年と2000年を経由して2010年にやって来たのです。
  その理由は原作でも明らかにはされていませんが、「シュタインズゲート」に
  到達する為にはβ世界線の成立が必須条件で、β世界線を成立させる為に何かをしに行った
  (ラボにIBN 5100が届けられるよう手配する等)…という説があります。
  メタ視点で見るなら、ジョン・タイターファンへのサービス演出なのでしょうけど。


  更に補足すると、鈴羽のタイムマシンは未来へも時間跳躍できる完成版ですが、
  最初から2036年に帰るつもりは無く、往復分の燃料は入れられていません。
  「シュタインズゲート」へ到達できれば、因果が再構成されて未来は変わり、
  タイムトラベルしてきた自分は消滅して2036年で平和に暮らしている筈…とのこと。




Q.β世界線の未来についてkwsk


A.β世界線では、岡部がDメールを送ることはなく、タイムリープマシンも存在せず、
  SERNがタイムマシン開発に成功することもありません。


  β世界線では、中鉢博士の論文が発端となって世界各国でタイムマシン開発競争が起こり、
  最終的には第三次世界大戦に発展してしまい、核兵器により人類の総人口は
  10億人にまで減ってしまいました。
  2036年には戦争は終結していますが、地球はボロボロで人がマトモに住める世界では
  なくなっているようです。


  岡部は、紅莉栖を救って第三次世界大戦を回避する計画を立案するも、2025年に死亡し、
  その遺志を継いだダルがたった1人でタイムマシンを完成させました。
  何というチートスペック……まさにスーパーハカーですね。HENTAI紳士ですが。



  「と、父さん……!?」 「ふーびっくりした。謎の美少女に
  いきなり父さん呼ばわりされたでござる。どうせならお兄ちゃんと呼んでくれ」




Q.紅莉栖ってタイムマシン否定派じゃなかったっけ? なのにタイムマシン論文?


A.物語冒頭の(α世界線での)講義では、確かにタイムマシンを否定していました。
  しかし、電話レンジ(仮)には並々ならぬ興味を示していました。
  要するに、世界線の収束を待つまでもない、「ツンデレ」の4文字で片付く疑問なのです。




Q.紅莉栖の父親がマジキチすぎてワロタwww


A.原作でもアニメでも、中鉢博士は紅莉栖の実の父とは思えないカスとして
  描写されていますが(ちなみに本名は牧瀬章一)、ドラマCDαでは、以前娘に対して
  酷い事を言った…と悔いるシーンがあります。
  まぁ、だからと言って、紅莉栖に対する仕打ちを『シュタゲ』ファンが許す事は
  無いのでしょうが……。




Q.まゆりのメタルうーぱのおかげで、中鉢博士の論文が焼けずに済んだ…って、どういう事?


A.中鉢博士は、紅莉栖が書いたタイムマシン論文が入った封筒を持ってロシアへ
  亡命したのですが(タイムマシンの開発に携わる為)、その際、飛行機の貨物室から
  火災が発生しました。しかし、封筒にはまゆりのメタルうーぱが入っていて、
  それが金属探知機に引っ掛かって貨物室へ入れられず機内へ持ち込まれていた為、
  論文は火災から守られ、ロシアのタイムマシン開発が始まってしまうのです。
  (論文の封筒にメタルうーぱが入っていた理由は、次回明らかになるでしょう)


  ……しかし、貨物室にすら入れてもらえない物を、機内に持ち込めるのでしょうか?
  普通は逆だと思うのですが…まぁ、深く突っ込むのは野暮というものでしょうww




Q.未来の岡部から送られてきたムービーメールの内容についてkwsk


A.このムービーメールは、第1話で着信したもの…つまり、β世界線における未来の岡部が
  送ってきたメールです。あの時点で開けなかった添付ムービーを今回開けたのは、
  未来の岡部が「β世界線にて紅莉栖を救うのに失敗した岡部」だから…つまり、
  第23話にて今の岡部と未来の岡部に因果関係が生まれたからです。


  紅莉栖を救おうとして失敗した岡部は、それから1年も経たないうちに再びタイムトラベル
  理論と向き合うことになり(具体的に何があったのかは原作でも不明)、36byte以上の
  容量を送信可能なDメール装置の開発にも成功しました。
  紅莉栖を救えなかった悔しさ、罪悪感、それらが合わさった執念があったからこそ、
  2025年の岡部は2010年の岡部へムービーメールを届けられたわけですね。


  SERNが世界を支配するα世界線ではなく、第三次世界大戦が起こるβ世界線でもない
  未知の世界線・「シュタインズゲート」へ到達するには、紅莉栖の命を救うと共に、
  中鉢博士がロシアに持ち込んだタイムマシン論文を葬り去る必要がある…と
  未来の岡部は言います。


  同時に、「岡部が刺殺された紅莉栖を見た」事実を、無かった事にしてはいけません。
  刺殺された紅莉栖を見たからこそダルへDメールを送り、α世界線で紅莉栖と共に過ごし、
  様々な経験をして、その結果「タイムトラベルしてでも紅莉栖を救いたい」と思うようになり、
  ムービーメールを送ってきた2025年の岡部へ繋がるのです。
  (紅莉栖が刺されているのを見たことを無かった事にすると、これまでの岡部のあらゆる
  行動がタイムパラドックスになり、全てが失われてしまいます)



  「……最終ミッション『未来を司る女神』作戦(オペレーション・スクルド)の概要を説明する」
  「“確定した過去を変えずに、結果を変えろ”」
  「“血まみれで倒れている牧瀬紅莉栖と、それを目撃した岡部倫太郎”。その過去は確定している」
  「だが逆に言えば、確定しているのは“それだけ”だ」
  「“最初のお前”を騙せ」 「世界を、騙せ」 
  「それが、『シュタインズゲート』に到達するための選択だ」
  「健闘を祈るぞ、狂気のマッドサイエンティストよ」
  「エル・プサイ・コングルゥ


  「フ……フフフ」 「ククク、クックック……」
  「33歳にもなって、なにをバカなことを言っているんだ、俺は……」
  「最初の俺を騙せとか。世界を騙せとか」 「厨二病もいいところじゃないか……!」


  実に痛々しい。見ていられない。だが――そんな考え方は――嫌いじゃない。


  「いいだろう、やってやる……! それが運命石の扉(シュタインズゲート)の選択だと言うのならばな!」
  「俺は狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真! 世界を騙すなど、造作もない!」
  「やはりこの俺が、世界を変えてやらねばならないようだな!」
  「フゥーハハハ!」



  ――原作プレイ時、序盤は「その厨二語りがクドすぎて話がテンポ良く進まねーだろゴルァ」と
  思ったこともありましたが、この鳳凰院凶真復活のシーンでは、鳥肌が立ったものです。


  ちなみに、原作とアニメでは『スカイクラッドの観測者』がBGMとして流れるシーンが違うのですが、
  個人的には、アニメ版の演出は原作よりドラマチックに仕上がっていると思います。